Friday, September 14, 2012

福島原発事故で漏れ出たセシウムの量は、広島原爆の4,023個分!? 5月に発表された東電の最終見積もりはどれほど正確で妥当か?

今頃知ったのですが、どうやら英文でしか記事が出ていなかった??

5月25日付けエグザミナー.comの記事、

Fukushima nuclear cesium fallout equals 4,023 Hiroshima bombs

東電が「この水曜(=5月23日)に発表した試算では、福島第一原発から漏れたセシウムの量は以前の試算の24倍も高く、広島原爆の4,023個分に相当する

昨年8月のTEPCOの見積もりでは、同セシウムの量は1万5,000テラベクレルだった(1テラベクレル=1兆ベクレル)。その際テレグラフ紙は、89テラベクレルのセシウムを放出した広島原爆の168個分に当たると報じた。

水曜に出された新たな見積もりでは、セシウム量は36万テラベクレルで、それは去年8月の数値の24倍であり、広島原爆4,023個分に相当。

その数字だと、チェルノブイリが放出したとみなされている8万5,000テラベクレルの4倍以上。

そこで、「水曜に東電が発表した」というリンクを開けると、それは読売新聞の英語版記事で、
タイトルは

TEPCO estimate sees more radiation than NISA's
『東電の放射性物質の試算は、原子力安全・保安院のものより高い』

観点を変えることによって、本当に重大な事実が前面に出ないようにしているね! 
中味は↓

東京電力は、福島第一原発から放出された放射性物質の総量はヨウ素換算で76万テラベクレルとの見積もりを出した。

で、その数値が「原子力安全・保安院が2月に出したものの1、6倍だ」と書いている。その原子力安全・保安院の試算というのが、「去年6月には77万テラベクレル、去年2月には48万テラベクレル」。その後者と比べて1、6倍だということだけど、前者と比べたら1万テラベクレル少ないわけです。

また、「原子力安全委員会が去年8月に出した試算では57万テラベクレルだった」と。

「TEPCOは異なる条件下で計算をくり返し、到達した最終的な見積もりはヨウ素-131が40万テラベクレルとセシウム-137が36万テラベクレル」、合わせて76万テラベクレルというわけですが、そのすぐ下に

チェルノブイリで漏れた放射性物質の総量は520万テラベクレルだった

との記載があって、「チェルノブイリの方がよっぽどひどかったんだ!」という印象を与えて「あれと比べると、如何に福島の事故は規模が小さいか」と思わせようとしていますけれども、先のエグザミナー.comの「セシウムは広島原爆4,023個分」は広島のヒの字も出さずに隠していますね。

おまけにTEPCOの出した「総量」には、上述の「チェルノブイリで520万テラベクレル」に入っているはずの、ヨウ素やセシウム以外の(プルトニウムとか!)他の「放射性物質」が加算されていない可能性があるのでは?と素人ながら思ったのですが、真相や如何に?

「総量で520万テラベクレルだった」チェルノブイリでの「セシウムの放出量が8万5,000テラベクレルだった」とすると、こんな単純計算は出来るはずはないと承知しながら、その比率を使って逆算すれば↓、福島原発事故による漏出した放射性物質の総量は2,202万テラベクレルにならないのか??

総量520万÷セシウム量8.5万=61.17647
福島のセシウム量36万×61.17647=2,202万テラベクレル
とんだ間違いであることを祈る

ホット・スポットの広がり方ひとつ見ただけで、測った場所によって数値が全然違ってしまう可能性があるから見積もりも困難なのはわかりますが、誠意を持って判明した限りの事実をまともに発表してもらいたいですよね。

エグザミナー.comの記事には、「TEPCOは4月以降放出された量は3月に出た量の1%程度だと言っている」とあります。本当ならいいのですが。

また今回の試算には原子炉の下に漏れ出たり、タンクに溜め込んだ汚染水の放射能の数値について触れられていない一方、去年6月にTEPCOが出した数字では、地下の排水溝から出た放射線物質の量は大気に出たものの2倍近かったと締めくくっています。

本当の総量は一体どれ位になるのか、あまり考えたくないですね。

<補足>

この件が日本語でどれほど広まっているか、ちょっと見ていたら
完全に「デマ記事」扱いしているページがあって、
ここのベストアンサーに選ばれた回答ですが、その人の主張が正しければ

360,000 ÷ 40 = 9,000 で、
セシウムの実数は9,000テラベクレルということになるので、
以前テレグラフが出した

89テラベクレルのセシウムを放出した広島原爆の168個分に当たる

も減って、101個分になるでしょうし、その記事中に出ていた
「セシウム-137の量、1万5,000テラベクレル」よりずっと少なくなります。
"大気へ"以外の放出量を入れてないからだと思うけど

チェルノブイリが放出したとみなされている8万5,000テラベクレルの4倍以上

のチェルノブイリのセシウムの量が実数かどうかの確認が必要ですが、ロシア・トゥデイもエグザミナー.comと同じ問題視をしていました。

Cesium-137 contamination: Fukushima amounts to four Chernobyls

知恵袋のベスト・アンサー氏が正しければ、ロシア・トゥデイも間違った報道をしたことになりますね。

またロシア・トゥデイは私と同じく、TEPCOがヨウ素とセシウム以外のアイソトープの数値を出していないのが問題だと指摘し、

ストロンチウム-90などの放出量を言及する代わりに、報告書の残り部分を試算方法の詳しい説明に使っていた」と伝えていました。

セシウムのヨウ素換算で、この記事のタイトルにも使った見方が間違っていたとしても、エグザミナー.comが指摘していた地下排水溝や汚染水に含まれた放射性物質量を無視し、他の同位元素の量も無視した隠蔽は明らかとは言えるでしょう。

ついでに、私のトンデモの可能性大ありの予測逆算
40で割った数値を使ってやっておくと、

総量520万÷セシウム量 8.5万=61.17647
福島のセシウム量 9,000 × 61.17647=55万テラベクレル強
となりますね。

そんな単純なものではないと思いつつも、チェルノブイリよりずっと早くから、これが原因ではないかと思われる突然死や子供の甲状腺癌、その他多くの症状が色々出ていることも事実だと思います。

加えて、今後どうなるか全く予断を許さない使用済み燃料棒のことを考えれば、そのセシウム-137は

米国放射線防護審議会(NCRP)が見積もったチェルノブイリ事故で放出されたセシウム137の総量の約85倍に相当

するのですから、チェルノブイリのように「一応の収束」の気配すら見えていない福島は、やはり異常な危機であることに変わりはありません。「デマ記事」などと言っておしまいにしようとする方こそ、要注意ですね。


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5 comments:

  1. ここしばらく雑感さんやvelvetさんのところで動いていたのでコチラでは久々です。

    それにしても、事の起こりからしてこんな対応だったようですし・・・
    http://fukushima-diary.com/2011/09/breaking-news-high-level-of-radiation-is-making-hydrogen-from-h2o/
    >東電は1号機爆発の時も絶対爆発は無いって言ってオイラ達は2号機の中の作業、自衛隊や消防はヤード作業してた
    別のまとめで
    >3月に福島の原子炉でメルトダウンした核燃料の温度は、4000℃ にもなって、危険な放射性物質は、ほとんどすべてが気化する温度をはるかに超えていた

    つい最近でもこんな状況のようですし・・・
    http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2012/09/blog-post_1398.html
    >福島第一原発3号機プールに再度「ヒドラジン」を投入

    ※前回の投入のときの解説
    http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65784152.html
    >高濃度汚染水の処理水に含まれる、猛毒ヒドラジンがしゃれにならん……

    すでに井戸水から検出というのが非常にアヤシイですし。
    http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2012/09/blog-post_9228.html
    >南相馬市の井戸水からセシウム88ベクレル検出!

    千早さんの計算の合否はともあれ、実態は
    http://d.hatena.ne.jp/hanamomo1980/20120421/1335027084
    >最初の数年間、何も起きないように見えることが致命傷をもたらす
    http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2012/07/blog-post_8989.html
    >茨城つくばのストロンチウム チェルノブイリの3倍超!
    こういう感じだと思うのですけれどね。

    http://www.tax-hoken.com/news_aiUOhFvRKQ.html
    >福島県伊達市の小学校で、500μSV/hという驚異的な空間線量が計測された。

    http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2012/07/blog-post_7750.html
    >福島・岩手・宮城で「認知症」患者が不自然な急増

    http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2012/09/blog-post_7445.html
    >福島の子供の甲状腺の状態は予想よりだいぶ悪いと推測できる

    http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2012/09/blog-post_1164.html
    >チェルノブイリ事故後の「子供の甲状腺癌」は「全身に転移」しやすかった

    http://sorakuma.com/2012/01/12/5484
    >ドイツ放射線防護協会:日本政府への勧告
    >放射線防護の国際的合意として、特殊措置をとることを避けるために、汚染された食品や廃棄物を、
    汚染されていないものと混ぜて「危険でない」とすることは禁止されている。

    http://vogelgarten.blogspot.de/2012/09/taz_20.html
    > 独TAZ紙「福島に警戒解除などない」
    >一般に認識されているよりも遥かに高い危険に晒されていると言うのが、原子力に反対する「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW) の見解である。
    >検査によっても何一つ異常は発見されてはならないことになっている印象が拭えません。

    ReplyDelete
  2. ところで、千早さんの報告によると南半球では寒冷化が起こっているように感じるということでしたよね。
    なんですが、少なくとも日本で私が住んでいる地域では温暖化が起きていると感じられるんですよね。
    子供の頃には凍ったはずの川や湖が全然凍らなくなったり、雪が降った後の道路も。
    あと虫の住んでいる地域がどんどん北上していたり。

    それで、たまたまこんな話を見つけたのですが
    http://www.maipress.co.jp/menu/sanpo/120.html
    >若狭湾の原発による環境破壊が停止によって明白に

    実は(日本の)温暖化の原因って本当のところ原発のせいなんじゃないの?と疑い始めていたりします。
    (データがないので断言するようなことはしませんけれど・・・)

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    Replies
    1. 温暖化人為説の嘘問題ですが、こちらは一旦暖かくなったかと思ったらまた寒くて、今も手がかじかんでいます。学校の教師やグリーン系の人々には騙されているのが確かに多いけれども、見知らぬ一般人に話しかけると、ほぼ全員が「あれは嘘だ!」と知っている。で、ギラードが公約を破って炭素税を導入したことについても「ひどい」とは思っているけど、その実何もしないみたいで、その辺がさすがに「活動家」ではなく「一般人だ」と...トホホ

      日本は確かに夏が暑いようで、それ故余計に騙され続ける人が多いのだろうけれど、そしておっしゃるように、原発は海水を7度も上げるのですから周囲の環境を変える要素になっていることは確かでしょう。

      しかし気温となると、やはり私はケムトレイルによる気象操作を強く疑います。

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  3. エントリで取り上げられている記事について、小野先生のところに解説が出ましたね。
    一応こちらに。
    http://onodekita.sblo.jp/article/58424226.html

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    Replies
    1. 流しのさん、

      色々と補足情報をありがとうございました。

      この件では、お忙しい小出さんにもメールを送りつけて伺ったのですが
      「発表の経過をきちんと見直す余裕が」ないけれど、あれはヨウ素換算されたものだろうと。ただ加えて、
      「日本政府がIAEAに報告した1.5×10の16乗ベクレル(広島原爆換算168発分)は過小評価だと」思っていらして、
      「それでも、この数字の倍、あるいは3倍程度だと思います」とお書きくださり、タイトルに入れた「4,023個分!?」は間違いだという結論に達しましたが、だからと言って喜べる事態ではない。

      下手をすれば、読売の英語版記事のように(視点をそらせる工夫という観点から)こうした「デマ」をわざと飛ばさせておいて、実は「そんな大したことはない」という見解で事態の深刻さを矮小化しようとしたのかもしれないとも思いましたよ。

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